手術をしない治療【スポーツ整形外科】
手術をしない治療(リハビリや装具)が中心となるもの
①肉離れ(各部位)
②捻挫(各部位)
③腰椎分離症(腰椎の疲労骨折)
④鼠径部周辺痛症候群(グロインペイン症候群)
⑤オスグット病(膝)
⑥野球肩/野球肘
⑦各種疲労骨折
など
①肉離れ
当院では身体所見・エコー・MRIなどを用いて多角的に評価することで正確な診断を心掛けています。分類にはJISS分類(国立スポーツ科学センター奥脇先生考案)を用い、初診時にある程度の復帰時期までの治療計画設定を行います。
肉離れのエコー画像
肉離れのMRI画像
やみくもに安静とすることなく、早期から患部トレーニングを開始できるように専門のリハビリテーションスタッフと連携をとっています。
また、肉離れの中には早期に手術をした方が良いものもあります。特に脚の付け根の後ろ側(坐骨部)の痛みがある場合は腱断裂の可能性があります。
②捻挫
「たかが捻挫」というスタンスではなく、エコーを用いて損傷の程度を正確に評価するようにしています。肉離れと同様に初診時にある程度の復帰時期までの治療計画設定を行います。
足関節靭帯損傷のエコー画像
まれに慢性的に痛みが残存する場合があります。
③腰椎分離症
初診時の正確な診断が非常に大切です。年齢や患部の病期(超初期/初期/進行期/終末期)により治療計画が大きく変わります。当院では必要に応じてレントゲンだけでなくMRIやCTを用いて診断を行います。治療には患部(腰)だけでなく全身のコンディションの評価と改善が必要となるため、専門のリハビリテーションスタッフと連携をとっています。
④鼠径部周辺痛症候群
股関節周辺に痛みが出ているもの全般が含まれます。正しく診断がつかないまま運動休止と再開後の再発を繰り返していることがよくあります。
その原因部位によっても治療方法や安静期間が変わってくるため、正確な診断が必ず必要となります。
⑤オスグット病
コンディション不良が原因となっていることが多く、正しくコンディショニングを行うことで症状改善します。エコーによるレントゲンには写らない骨片の有無確認で治療方針が変わることがあります。
⑥野球肩/野球肘
痛い部位のみに意識が行きがちですが、患部だけでなく全身のバランスチェックが必要不可欠となります。医師による患部のレントゲンやエコー・MRIなどの検査による診断と、リハビリスタッフによる全身のバランスや投球フォームのチェックを行い多角的にアプローチしていくことが必要です。
スポーツ障害によりパフォーマンスが落ちた場合の治療として、「手術しかない」ということはそれほど多くありません。ただし、手術とならないようにするためには病態や病期に沿ったリハビリテーションが不可欠であると考えます。
当院リハビリテーションスタッフには「スポーツ班」と呼ばれるチームが存在しており、社会人野球や高校野球のチーム活動に帯同したり、東京オリンピックの選手側医療スタッフとして活躍しています。そういった現場で培った感覚も持ち合わせたスタッフによる的確なリハビリテーションを行うことができることが当院の特色となっております。