2020.07.21
肩関節外科
反復性肩関節脱臼、Bankart病変【肩関節外科】
症状
脱臼を繰り返すことにより、その後軽度の外力でも脱臼を繰り返すようになった状態です。
反復性脱臼になると肩関節の外転外旋に対して脱臼不安感を訴えます(anterior apprehension sign 陽性)。
発生頻度
若い男性に多い(男女比は4:1)
初回脱臼の年齢と反復性脱臼に移行する割合
10代 90%以上
20代 80%
30代 50%
脱臼しやすい肢位
反復性肩関節脱臼の一例
症例:32歳男性
現病歴:仕事中に転倒して受傷、他院で肩関節脱臼との診断をうけて徒手整復。2週間後、仕事中に手を伸ばしていたら再脱臼して当院受診。
術前MRI
鏡視下Bankart手術
関節窩前方にアンカーをうって前方関節唇を作成
術後1年可動域制限もなく脱臼不安感なし。
Bankart手術の術後リハビリ
ウルトラスリングを約4週間着用
1週間はウルトラスリングの枕をつけて肩の安静
2週間は屈曲外転は90度まで
4週間は外旋は0度まで
自動運動はウルトラスリングが外れた術後4週から開始します。
外旋を制限するのは、縫合した前方が損傷し脱臼するからです。