PFM (Patient Flow Management)を導入【PFM担当看護師】
PFM (Patient Flow Management)を導入しました。
当院では、人工関節(股関節、膝関節)や脊椎疾患、肩疾患(一部除く)の入院手術を行う患者さんを対象として、PFM (Patient Flow Management)を導入しました。
PFMとは、患者さんの入院から手術までの、諸問題の早期解決を目的に、入院前から、必要な情報を収集し、入院中や退院後の生活を見越した支援を行う組織のことです。入院退院センターとも呼ばれています。
安全な手術を行う為、術前検査・検査結果確認、手術に対しての説明、患者さんの意思確認だけでなく、入院生活がイメージ出来る様にスライドを活用しながら説明を行います。
クリニカルパス(手術ごとの検査や治療、処置、看護師によるケアや、薬剤師、栄養士による指導等の一般的な経過を説明するためにまとめたスケジュール表)に順じて退院日が決まります。入院前から患者さんの個々の必要な情報を確認させていただき、医療チーム(医師、看護師、薬剤師、栄養士、検査技師、医療ソーシャルワーカー、医療クラーク、医療事務等)で、情報共有することで、円滑な入院医療の提供と退院支援を行います。下記にそれぞれの専門職の関わり内容を記しておきます。
PFM担当看護師
PFM看護師は、プライバシーに配慮された相談室(個室)で看護師が病歴聴取や入院生活の案内などを行っています。転倒や褥瘡(床ずれ)等の療養上のリスクアセスメントをします。
プロフィールだけでなく、アレルギー情報やかかりつけ医や介護保険の有無とサービス内容などの情報も聞き取ります。在宅での、生活状況や本人、ご家族の困り事も伺います。それらの情報を電子カルテに入力し病棟看護師と情報共有します。患者さんからの多岐にわたる相談内容は必要に応じて、適切な職種(栄養士、薬剤科、医療事務、医療ソーシャルワーカー(MSW)、理学療法士等)へとつなぎ、安心して治療に臨めるようにサポート致します。
例えば、介護認定のことを聞いてみたいと言われる患者さんには、MSWに制度の説明を依頼します。各職種と連携を密にすることで、患者さんのかゆいところに手が届く対応ができると感じます。患者さんにとって入院や手術は大きなイベントです。不安を抱いている患者さんやご家族の話を聞かせていただき、入院前から万全の準備を行うことで、患者さんの不安や心配事が少しでも和らぐ様に努めています。
外来担当看護師
手術が決定したら、診察室にて主治医より入院手術の説明が行われます。その際に外来看護師は、患者さんの意思確認、手術に必要な書類の確認、コロナワクチンの接種時期、罹患歴の確認、装具のオーダー確認、バイタルサインの測定を行います。主治医から依頼された手術前の検査オーダーを患者様にご案内し、入院支援レポート(患者さんの情報アンケート用紙)の記載をご説明いたします。
薬剤師
薬剤科は入院が決定した時点で、服薬中のお薬や、お薬手帳を持参していただいて面談を行い、薬剤情報、サプリメント服用有無、市販薬の服用有無、副作用、アレルギーの確認、術前中止薬の確認を行い、手術中止の回避を行います。中止薬の確認とその中止期間、又、持参薬のお願いの用紙をお渡しすることで服薬中止忘れや持参忘れを予防することに努めています。
麻酔科診察
麻酔科医師より手術中の安全を確保するために、術前検査を確認し患者さんの全身状態を把握します。PFM看護師が収集した情報を基に今一度、リスクがないか再確認し、患者さんの麻酔方法や鎮痛法を選択する情報を得ています。
栄養師
栄養科では、看護師の面談にて得た情報などから食物アレルギーの有無、栄養指導の必要性や既往症などから食事内容の確認を行い、患者さんに合った食事提供を行って、術後の早期回復に努めています。
医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)
PFM看護師が患者さんの事前情報を収集し、退院困難な要因を評価します。そして、退院支援の必要性を早期に把握し入院病棟、医療ソーシャルワーカーへ連絡し早期に対応します。
又、看護師が得た患者さんの情報を基に、患者さんやご家族の抱える思いや不安に対しお話を伺いながら、入院手術後、自宅への退院が困難、生活様式が低下された患者さんを対象として、患者さんやご家族の方、ケアマネージャーや他施設の方と、退院支援や退院調節を行ないます。又、退院後の生活の場や、介護保険について相談や説明を行います。病院全体の他職種との連携したチーム医療により患者さんが安心して入院生活を送れるように努めています。
検査技師
検査科は主治医から依頼された手術に必要な検査を行います。異常値があれば、主治医へと報告させて頂いています。
医療事務
医療事務では、保険の確認、限度額認定証の説明、入院手続き等を行い、経済的リスクを事前に回避する様に努めています。
この様にそれぞれの職種が専門性を担いながら、一丸となり患者さんが安心して入院生活を送ることが出来るように取り組んでいきたいと思っております。
ご相談があれば、いつでもお声掛けください。