東京2020オリンピック救護チームに参加して【看護部】
東京2020オリンピックMTBクロスカントリー(MTB:マウンテンバイク)競技の救護チームとして、静岡県伊豆市に7月23~27日の5日間参加しました。救護チームは、医師1名・看護師4名・理学療法士1名の構成でした。
MTBクロスカントリー競技とは、MTBの代表的な種目の一つで人気が高く、オリンピックや世界選手権などの正式種目があります。起伏のある山岳・丘陵地帯に設定された約4~10㎞(1周あたり)のコースを一斉スタートし、2時間程度かけて滑走・順位を競う競技です。コースからの滑落や・選手同士の接触による事故が発生しやすく、大けが(脳挫傷・脊椎損傷)のリスクが高い競技となっています。
競技会場は、岩が重なった場所や急斜面のコースなど足場が悪く、医療従事者のみでは救護が困難な場所がありました。オリンピック競技委員会指導のもと、山岳救助隊と協力し、頸椎の安静を保持しながら選手のヘルメットを外す練習や、負傷者をスクープストレッチャーで安全に移送する訓練などを行いました。救護中もレースは続行されるため、迅速かつ安全な対応が必要となります。そのため、一人一人が声を出し確認を行い、チームで連携を図ることが大切であると学びました。
試合当日は、救護が必要となる場面はありませんでしたが、現場でしか学べない救護方法やチーム連携の大切さを学ぶ事ができ、とても充実した5日間を過ごす事ができました。
コロナ禍でオリンピック開催の賛否が分かれる中でも、選手達が一生懸命に競技に取り組む姿をみて、とても良い刺激をもらう事ができました。私達も医療従事者として出来る事を、日々努力をしていきたいと思いました。