骨粗鬆症予防の食事【栄養科】
カルシウム
推奨量は成人男性700~800mg、成人女性600~650mg(※1)ですが、骨粗鬆症治療には700~800mg(※2)必要です。2019年国民健康・栄養調査によると平均摂取量が505mgで日本人はカルシウムが不足していると言えます。
牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品、いわし丸干しなどの骨ごと食べられる魚、しらす・干しエビなどの小魚、大豆・大豆製品、小松菜などの緑黄色野菜に多く含まれます。カルシウムは吸収率が悪い栄養素ですが、その中で乳製品は比較的吸収が良いため毎日の摂取を心がけましょう。牛乳はコレステロールが多いイメージですが、コップ1杯24mgで、鶏レバー185mg(50g)やたらこ105mg(30g 1/2腹)と比較しても多くありません。それでも気になる方は、低脂肪タイプを選んでください。
ビタミンD
腸管からのカルシウムの吸収を助けてくれる栄養素で、推奨量は10~20㎍(※2)です。鮭・カレイなどの魚、干し椎茸・きくらげなどのきのこ類に多く含まれます。魚をあまり食べない家庭は、週に2回程度は食べる機会を作ってください。特に鮭には1切で26㎍とビタミンDが豊富。またビタミンDは日光に当たることで人間の皮膚でも作られるため、1日15分程度の日光浴をしましょう。外に出られない時は室内で窓を開けての日光浴でもOKです。
ビタミンK
カルシウムが骨へ沈着するのを助け骨を強くしてくれます。納豆、ほうれん草・ブロッコリーなどの緑色の野菜に多く含まれます。ワルファリンを服用中の方はビタミンKが薬の作用を弱めるため、かかりつけ医の指示に従ってください。
たんぱく質
たんぱく質は筋肉や骨をつくる栄養素です。推奨量は成人男性60~65g、成人女性50g(※1)です。肉・魚・卵・大豆製品・乳製品に多く含まれており1回の食事でいずれか1種摂るようにしてください。ただ、腎機能が低下している方は摂り過ぎると腎臓に悪影響を与える可能性があるため、かかりつけ医の指示に従ってください。
その他
1日2食しか食べていない方は必要な栄養素が2食では補いにくいため、なるべく3食食べるようにしましょう。これだけを摂れば良いという食品や栄養素はありません。色々な種類の食品をバランス良く食べることが大切です。また若い世代の方はまだ自分には関係ないと思うのではなく、骨量は20歳代で最大になるため、若いうちから食事に関心を持ち栄養バランスを考えて食事を食べることが大切です。痩せすぎないように無理なダイエットは控えましょう。
※1 日本人の食事摂取基準2020年版
※2 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版