骨粗鬆症の検査について【放射線科】
当院のX線検査機器には以前(2020.12.18 当院の画像診断機器)に紹介した放射線機器以外にも骨粗鬆症の診断に使用するDEXA(デキサ)と呼ばれる装置(HOLOGIC社製 HorizonCi)があります。
骨粗鬆症
骨粗鬆症とは、骨の量が減り、骨が弱くなり骨折しやすくなる病気です。
転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。
骨折の多い部位は、背骨(脊椎圧迫骨折)、手首(橈骨遠位端骨折)、太もも付け根(大腿骨頚部骨折)などです。
骨は生きています。新らしく作られる事(骨形成)と溶かして壊される事(骨吸収)を繰り返しています。骨粗鬆症は、このバランスが崩れることでおこり骨がスカスカになります。
また、骨粗鬆症は圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられます。女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられています。
骨粗鬆症検診は何歳くらいから受ければよいのでしょうか?
女性では50歳くらいから骨量が低下し始めます。閉経後は1年に1回測定するとよいとされています。1年間に3%以上の骨量減少があるときは、医師の診察を受け半年に1回ずつの測定となります。このとき治療(お薬・注射)を受けることもあります。
骨量は20代から40代後半まであまり変化をしません。その間に一度測定をし、自分の若いときの骨量を知っておくと、老年期になってから役に立ちます。
男性は寝たきりが長かったり、胃腸・腎臓障害などがなければ、70代までは測定の必要はありません。男女とも70代以降は2年おきくらいに測定するのが望ましいでしょう。
骨の量はどのくらい減ったら危険ですか?
危険か危険でないかは、骨の量がどのくらい減った状態で骨折がおこるかによります。 WHO(世界保健機構)の骨粗鬆症診断基準では、20~40歳の骨の平均から-2.5SD(標準偏差)以下になったものを骨粗鬆症として骨折の危険ありとしたものです。
日本では、SDという単位が分かりにくいということで、YAM値と言うパーセントを使った新しい診断基準をつくりました。若いとき(20~44歳)の平均骨量の80%以上は正常、79~70%を骨量減少、70%未満を骨粗鬆症とするというものです。
骨粗鬆症になると骨折を起こしやすくなり、その意味ではYAM値70未満だと危険な状態といえます。なお、すでに脆弱性骨折(脊椎圧迫骨折・橈骨遠位端骨折・大腿骨頚部骨折など)がある場合は、80%未満で骨粗鬆症と診断されます。
また、痛みがなくても背が1年間に1cm 以上短縮した場合は骨量を測定する必要があります。
当院のDEXA測定は骨粗鬆症の診断基準に適合しているものです。
骨量の測定は原則として腰椎とされています。ただし、高齢者において脊椎変形などのために腰椎骨密度の測定が適当でないと判断される場合には大腿骨頸部での測定をする事になっています。
腰椎や大腿骨に手術などで金属が入っている場合は橈骨(手首)で検査を行います。
検査時間も5分ほどで出来、結果も直ぐに出ます。
是非、ご利用下さい。